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Japanische Klassiker mit Furigana

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いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme

Aozora Bunko

私は高木の依頼で書類の包みを保管していたが、多分事件の秘密書類であったと思う。判決がすんでから、少女がそれを受取りに訪ねてきた。その時は年齢なみの洋装で、なるほど小学校の子供ではないことをようやく納得したのであった。

高木はそれから間もなく死んだ。彼の宿命の自殺ではなく、脳炎で狂死したのである。

私が危篤の知らせを受けて精神病院へ行ったのはクリスマスの前夜であった。一日の十二時間は昏睡し、十二時間は覚醒している。昏睡中は平熱で、覚醒すると四十度になる。私が病院へ着いた時は昏睡中で、このまま多分永遠に眠ってしまう筈であるという話であった。ところが十二時間目に又目が覚めた。

私はそのとき初めて彼の父陰謀政治家を見たのであるが、高木と同じ柔和な身体とふてぶてしさとがあり、線の太さが高木よりも大きかった。

高木は父のいることを知って喚きだしたが、もはや音量が衰えて、離れている私には聴えない。やがて父は別室へ行って、子供は錯乱していないと家族達に断言した。

発狂といっても日常の理性がなくなるだけで、突きつめた生き方の世界は続いている。むしろ鋭くそれのみ冴えているのである。