Japanische Klassiker mit Furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme
そのくせ処女とは如何なるものか、この娘は知らなかった。愛人、夫婦は、ただ接吻し、同じ寝床で、抱きあい、抱きしめ、ただ、そう信じ、その感動で、娘は至高に陶酔した。肉体の交渉を強烈に拒んで、なぜそんなことをするのよ、と憤然として怒る。まったく知らないのだ。
そのくせ、ただ、単に、いつまでも抱きあっていたがり、泊りに行きたがり、私が酒場へ顔を見せぬと、さそいに来て、娘は私を思うあまり、神経衰弱の気味であった。よろよろして、きりもなく何か口走り、私はいくらか気味が悪くなったものだ。肉体を拒むから私が馬鹿らしがって泊りに行かなくなったことを、娘は理解しなかった。
中原中也はこの娘にいささかオボシメシを持っていた。そのときまで、私は中也を全然知らなかったのだが、彼の方は娘が私に惚れたかどによって大いに私を呪っており、ある日、私が友達と飲んでいると、ヤイ、アンゴと叫んで、私にとびかかった。
とびかかったとはいうものの、実は二、三米離れており、彼は髪ふりみだしてピストンの連続、ストレート、アッパーカット、スイング、フック、息をきらして影に向って乱闘している。中也はたぶん本当に私と渡り合っているつもりでいたのだろう。