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Japanische Klassiker mit Furigana

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いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme

Aozora Bunko

凡そ私は戦争を呪っていなかった。恐らく日本中で最も戦争と無邪気に遊んでいた馬鹿者であったろうと考える。

私は然し前途の希望というものを持っていなかった。私の友人の数名が麻生鉱業というところに働いており(これは例の徴用逃れだ)私は時々そこを訪ねて荒正人と挨拶することがあったが、この男は「必ず生き残る」と確信し、その時期が来たら、生き残るためのあらゆる努力を試みるのだと力み返っている。これほど力みはしなかったが平野謙もその考えであり、佐々木基一もそうで、彼はいち早く女と山奥の温泉へ逃げた。つまり「近代文学」の連中はあの頃から生き残る計画をたて今日を考えておったので、手廻しだけは相当なものであるが、現実の生活力が不足で、却々予定通りに行かない。手廻しの悪い人間でも、現実に対処する生活力というものは、知識と別で、我々文学者などというものはイザとなると駄目なものだ。蒲田が一挙に何万という強制疎開のときは箪笥が二十円で売られたもので、これを私からきいた荒正人はすぐにも蒲田へ駈けつけて箪笥を買いたそうな顔だった。つまり彼は生き残る確信に於て猪の鼻息のように荒かった。