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Japanische Klassiker mit Furigana

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いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme

Aozora Bunko

一しょに」

私に怒られると、女は言うのが常であった。死ぬ以外に、自分の浮気はどうにもすることができないのだということを本能的に叫んでいる声であった。女は死にたがってはいないのだ。然し、死ぬ以外に浮気はどうにもならないという叫びには、切実な真実があった。この女のからだは嘘のからだ、虚しいむくろであるように、この女の叫びは嘘ッパチでも、嘘自体が真実より真実だということを、私は妙に考えるようになった。

「あなたは嘘つきでないから、いけない人なのよ」

「いや、僕は嘘つきだよ。ただ、本当と嘘とが別々だから、いけないのだ」

「もっと、スレッカラシになりなさいよ」

女は憎しみをこめて私を見つめた。けれども、うなだれた。それから、又、顔を上げて、食いつくような、こわばった顔になった。

「あなたが私の魂を高めてくれなければ誰が高めてくれるの」

「虫のいいことを言うものじゃないよ」

「虫のいいことって、何よ」

「自分のことは、自分でする以外に仕方がないものだ。僕は僕のことだけで、いっぱいだよ。君は君のことだけで、いっぱいになるがいいじゃないか」

「じゃ、あなたは、私の路傍の人なのね」