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Japanische Klassiker mit Furigana

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いずこへ

風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇

坂口 安吾

Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme

Aozora Bunko

令嬢達が僕などに注意を向ける筈が有り得るものではないのですから、と言って、彼は一人で喋って、そそくさと立去ってしまった。尤もこの男はまるでソファーにふんぞりかえるように坐って、腕組みをして煙草をふかして威張り返って天井を睨みながら、甚だ自卑的なことをまくしつづけていたのである。

奇妙な話があるものだ。僕には美しい令嬢の友達などは一人もなかった。僕のことをこんな風に考えている人が有るというのは不思議であったが、要するに世の中はこんなものであろう。誰一人思い通り、望み通りの生活などをしている人はいないので、みんな他人が幸福だと思っているだけ。

葛巻なども多くの人々に最も幸福な人よと思われていたに相違ない。その葛巻は痩せる思いで令嬢に恋いこがれ致死量に近いカルモチンをガブガブのんで辛じて眠りをとっている。世はままならぬものである。先年葛巻が結婚のとき、結婚記念にあの絨毯を燃しちゃいなさいと手紙を書いたが、この手紙はとうとう出しそこなってしまった。