Japanische Klassiker mit Furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme
私が母の立場に理解を持ちうる年齢に達したとき、母は私の気質を理解した。私ほど母を愛していた子供はなかったのである。母のためには命をすてるほど母を愛していた。その私の気質を昔から知っていたのは先妻の三番目の娘に当る人で、上の二人は母を殺そうとしたが、この三番目は母に憎まれながら母に甘えよりかかっていた。その境遇から私の気質がよく分り、私が子供のとき、暴風の日私が海へ行って荒れ海の中で蛤をとってきた、それは母が食べたいと言ったからで、母は子供の私が荒れ海の中で命がけで蛤をとってきたことなど気にもとめず、ふりむきもしなかった。私はその母を睨みつけ、肩をそびやかして自分の部屋へとじこもったが、そのときこの姉がそッと部屋へはいってきて私を抱きしめて泣きだした。だから私は母の違うこの姉が誰よりも好きだったので、この姉の死に至るまで、私ははるかな思慕を絶やしたことがなかった。この姉と婆やのことは今でも忘れられぬ。私はこの二人にだけ愛されていた。他の誰にも愛されていなかった。
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私は私の気質の多くが環境よりも先天的なもので、その一部分が母の血であることに気付いたが、残る部分が父からのものであるのを感じていた。