Japanische Klassiker mit Furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Lesen Sie 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.879 Zeichen · 242 Bildschirme
でいた。
だいたい我々貧乏な文士ぐらい、たまに懐にお金をもつと慌ててお金を払いたがるものはない。文士が三人も集ってお酒をのんで、それぞれ懐にお金があるときには、お勘定、となると最も貧乏なのがムキになって真ッ先に払いたがる。私などがしょっちゅうそうで、マアマア今日はどうあってもオレにたのむ、などと凄い意気込みで、そのくせツケがきて懐中を調べてみるとお金が足りない。ウロウロ悄然としてまだどこかにお金でもあるが如くに懐をかきまわす時に至って、かねてお金持の文士の方がチッとも騒がずオモムロに懐中からズッシリふくらんだ財布をとりだすということになる。三枝庄吉も亦、真ッ先に慌てふためいて蟇口をとりだす組で、然しこの組の連中ほど貧のつらさ、お金の有難さを骨身にしみて知る者はない。そのくせこの連中の蟇口の中のお金にはみんなそれぞれ脚が生えて我先にとびだし駈け去るシクミだから、まことに天下はままならぬ。朝の来たるごとに後悔に及び、米もなければ大根のシッポもない、今日は何をたべるの、と女房に言われて、汝女房こそ呪いの悪魔である如くギラギラ光る目でジロリと見て、フトンをかぶったり、腕組みをしてソッポを向いたりしている。