Japanische Klassiker mit Furigana
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
Lesen Sie 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.271 Zeichen · 263 Bildschirme
続いて※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)の為に左の股を傷けられた。加之も二度目の傷は刃物で突かれたと見えて、洋袴に滲み出る鮮血の温味を覚えた。究竟彼は左の片足に二ヶ所の傷を負っているのであった。
父の行方も探し当て、お杉の生死も確め得たので、彼も今は気が弛むと共に、市郎は正しく立つに堪えられなくなって来た。跛足を曳きながら傍の岩角に跟蹌けかかって、倒れるように腰を卸した。男も其側へ腰をかけた。
「旦那は何うか為すったんですか。」
「些と怪我をした。」と、市郎は顔を皺めて、「そこでお前さんに頼みたいことが有るんだが……。僕は此の通り、足を痛めているんで到底歩けそうもない。お前さんは此処の勝手を知っていると云うなら、後生だから僕の家まで行って来て呉れないか。而して、僕がここに居るから迎いに来て呉れと……。」
「旦那の家は遠いんですか。」
男は余り気の進まぬような返事であった。市郎は衣兜の紙入から紙幣を探り出して、黙って男の手に渡すと、彼は鳥渡頂いて直に我が洋袴の衣兜へ捻込んで了った。
「じゃア、行って来ましょう。旦那のお宅は何方です。」