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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひだのかいだん

飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選

岡本 綺堂

Lesen Sie 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.271 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

これは今から十七八年以前の昔話と御承知あれ。

北国をめぐる旅人が、小百合火の夜燃ゆる神通川を後に、二人輓きの人車に揺られつつ富山の町を出て、竹藪の多い村里に白粉臭い女のさまよう上大久保を過ぎると、下大久保、笹津の寂しい村々の柴焚く烟が車の上に流れて来る。所謂越中平の平野はここに尽きて、岩を噛む神通川の激流を右に視ながら、爪先上りに嶮しい山路を辿って行くと、眉を圧する飛騨の山々は、宛がら行手を遮るように峭り立って、気の弱い旅人を脅かすように見えるであろう。

けれども、地図によれば此処らは未だ越中の領分で、足腰の疼痛に泣く旅人も無し、山霧に酔う女もあるまいが、更に進んで雲を凌ぐ庵峠を越え、川を抱いたる片掛村を過ぎて、越中飛騨の国境という加賀澤に着くと、天地の形が愈よ変って来て、「これが飛騨へ入る第一の関門だな。」と、何人にも一種の恐怖と警戒とを与えるであろう。乱山重畳、草鞋の穿けぬ人の通るべき道ではない。

この加賀澤から更に二十里ほどの奥であると云えば、其の地勢などは委しく説明する必要もあるまい。そこに戸数八十戸ばかりの小さい駅がある。山間の平地に開かれた町で、学校もあれば寺院もあり、且は近年其附近に銀山が拓かれるとか云うので、土地は漸次に繁昌に向い、小料理屋のようなものも二三軒出来て、口臙脂の厚い女が斯ん