Japanische Klassiker mit Furigana
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
Lesen Sie 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.271 Zeichen · 263 Bildschirme
のを厭って、年中アノ座敷に閉籠ったままで滅多に外へ出た事も無かったでしたが、ツマリ自分の良心に責められたのでしょう、気病のようにブラブラと寝つ起きつ、凡そ一年ばかりも経つ中に、ある日アノ窓の側まで行くと、急に顔色が変ってパッタリ倒れたまま死んで了ったそうです。心柄とは云いながら誠にお気の毒な事で、それから後は愈よ其の奥様が若様を殺したに相違ないと決定して、今まで優しい方だ、美しい奥様だと誉めた者までが、継子殺しの鬼よ、悪魔よと皆口々に罵ったという事です」と、苦々しげに物語る。以上の噺で彼の怪しい貴婦人の正体も大抵推察された。で、そう事が解って見ると、私は猶々怖く恐しく感じて、迚もここに長居する気がないから、其日の中に早々ここを引払って、再び倫敦へ逃帰る。その仔細を知らぬ番人夫婦は、余りお早いではありませんか、せめてモウ五六日、せめて殿様がお出になるまで、と詞を尽して抑留めたが、私はモウ気が気でない、無理に振切って逃げて帰った。
で、私の臆病には自分ながら愛想の竭きる位で、倫敦へ帰った後も、例の貴婦人の怖い顔が明けても暮れても我眼に彷彿いて、滅多に忘れる