Clásicos japoneses con furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lee 三国志(七) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N1. Toca una palabra para ver el significado.
N1 · avanzado · kanji y kana modernos · 371.916 caracteres · 744 pantallas
草喰わぬ馬
一
草喰わぬ馬
一
関平も父の姿をさがし求めているうちに、朱然、潘璋の軍勢に生捕られた。そして荒縄にかけられて呉侯孫権の陣へひかれてゆく間も、父関羽の名を叫び、無念無念をくり返していた。
報を聞いて孫権は、翌る日、早暁に帳を出て、馬忠に関羽をひかせ、清々しげに彼をながめて云った。
「自分はかねてより将軍を慕って、将軍の娘をわが子息へ迎えようとすらしたことがある。何で足下はあの時わが懇志をしりぞけたか」
関羽は黙然たるのみであった。孫権は語をつづけて、
「また将軍は、常に天下無敵の人と思っていたが、なんで今日、わが軍の手に捕われたのか。われに降って、呉に仕えよと、天がご辺に諭しているものと思われる」
関羽はしずかに眸を向けて、
「思いあがるを止めよ、碧眼の小児、紫髯の鼠輩。まず聞け、真の将のことばを」
と、容を正した。
「劉皇叔とこの方とは、桃園に義をむすんで、天下の清掃を志し、以来百戦の中にも、百難のあいだにも、疑うとか反くなどということは、夢寐にも知らぬ仲である。今日、過って呉の計に墜ち、たとえ一命を失うとも、九泉の下、なお桃園の誓いあり、九天の上、なお関羽の霊はある。