Clásicos japoneses con furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lee 三国志(五) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N1. Toca una palabra para ver el significado.
N1 · avanzado · kanji y kana modernos · 325.249 caracteres · 653 pantallas
その情熱は非常な自己主義でもあり、盲目的でもあった。さきに関羽へ傾倒して、あとではかなり深刻に後悔の臍を噛んでいるはずなのに、この日また常山の子龍と聞いて、たちまち持ち前の人材蒐集慾をむらむらと起したものであった。
趙雲にとって、また無心の阿斗にとって、これもまた天佑にかさなる天佑だったといえよう。
行く先々の敵の囲みは、まだ分厚いものだったが、趙雲は甲の胸当の下に、三歳の子をかかえながら、悪戦苦闘、次々の線を駆け破って――敵陣の大旆を切り仆すこと二本、敵の大矛を奪うこと三条、名ある大将を斬り捨てることその数も知れず、しかも身に一矢一石をうけもせず、遂に、さしもの曠野をよぎり抜けて、まずはほっと、山間の小道までたどりついた。
するとここにも、鍾縉、鍾紳と名乗る兄弟が、ふた手に分かれて陣を布いていた。
兄の縉は、大斧をよくつかい、弟の紳は方天戟の妙手として名がある。兄弟しめし合わせて、彼を挟み討ちに、
「のがれぬ所だ。はやく降れ」と喚きかかった。
さらに、張遼の大兵、許の猛部隊も、彼を生け擒りにせんものと、大雨のごとく野を掃いて追ってきた。
「――あれに追いつかれては」