Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lee 三国志(五) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N1. Toca una palabra para ver el significado.

N1 · avanzado · kanji y kana modernos · 325.249 caracteres · 653 pantallas

Aozora Bunko

二

道の捗らないことはおびただしい。

「江陵の城はまだか」

「まだまだ道は半ばにすぎません」

襄陽を去ってから、日はもう十幾日ぞ。――こんな状態でいったらいつ江陵へ着くだろうと、玄徳も心ぼそく思った。

「さきに江夏へ援軍をたのみにやった関羽もあれきり沙汰がない。――軍師、ひとつ御身が行ってくれないか」

玄徳のことばに、孔明は、

「行ってみましょう。どんな事情があるかわかりませんが、この際は、それしか恃む兵力はありませんから」と、承知した。

「ご辺が参って、援軍を乞えば、劉君も決して嫌とは申されまい。――ご辺の計らいで、継母蔡夫人の難からのがれたことも覚えておられるだろうから……」

「では、ここでお別れしましょう」

孔明は兵五百をつれ、途中から道をかえて、江夏へいそいだ。

孔明と別れてから二日目の昼である。ふと、一陣の狂風に野をふりかえると、塵埃天日をおおい、異様な声が、地殻の底に鳴るような気がされた。

「はて、にわかに馬のいななき躁ぐのは――そも、何の兆だろう」

玄徳がいぶかると、駒をならべていた糜芳、糜竺、簡雍らは、

「これは大凶の兆せです。馬の啼き声も常とはちがう」