Clásicos japoneses con furigana
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どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Lee 土曜夫人 (どようふじん) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 106.903 caracteres · 213 pantallas
二
「おや、邦子さん、消えちゃったね」
グッドモーニングの銀ちゃんが言った。
「いえ、なに、ちょっと、そこまで煙草を買いに……。え、へ、へ……」
「御機嫌だね」
「絶対ですワ」
北北(ペーペー)と紅中(ホンチュン)をポンして、四(スー)のファンのテンパイになった京吉は、もう掏摸どころではなかったのだ。
何も娘にいいつけて、尾行させたりしなくても、一言「掏摸だ!」と騒ぎ立てれば、もうそれでよかったのだが、しかし、せっかくの満貫(マンガン)直前の気分を、そんなことでこわしたくなかったのだ。親の死目に会えぬマージャンの三昧境であった。
「五万」か「八万」のパイで上りだった。しかし、キャッキャッ団の三人はさすがに「万」パイは警戒して、自分たちの手をくずしてまで「万」パイを押えていた。だから、京吉はツモって上るよりほかに仕方がなかった。
「よしッ、ツモってみせる!」
京吉の眼はギラギラと輝いていた。ダンスを踊らせても、玉を突かせても、マージャンを打たせても、何をやらせても、京吉は天才的な巧さを発揮したが、とくにマージャンの場合、京吉の巧さとは、いざという時には、無理なパイでもツモってみせるという闘志と勝負運の強さだった。