Clásicos japoneses con furigana
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どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Lee 土曜夫人 (どようふじん) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 106.903 caracteres · 213 pantallas
二
と、にやにや笑いながら、木崎がドアをあけてはいって来た。赤い眼をしばだたいているのは、昨夜坂野に打って貰ったヒロポンが効きすぎて、眠れなかったのであろう。
「聴えましたか。――いや、なに、おたくに言ったわけじゃないです。一寸これ見て下さい。ひでえもんですよ」
坂野は新聞の身上相談欄を見せた。木崎はざっと眼を通して、
「なるほど、こりゃひどい!」
「そうでしょう。怒ったね、あたしゃ。全くこりゃ怒りもんでさアね。とんがらかる理由がざっと数えて四つはありまさアね。ひでえ話だよ、こいつア……」
昔漫談をやっていただけに、真剣に喋っていても、坂野の喋り方は何か軽佻じみていた。
「まず第一に、よりによって、昨日の今日、こんな身上相談が出ているなんてね。罪ですよ。罪な野郎だよ、全く……。あたしゃアね、木崎さん、これを読んだ途端、女房の奴、てっきり男をこしらえて逃げやがったなと、ピンと来ましたよ。いや、それに違えねえ。ヒロポンだけで逃げるもんですか。だいたい、あたしと女の馴れ染めはね、あたしがまだ小屋に出ていた時分でしてね、え、へ、へ……。女房もその小屋で、ハッチャッチャッ……てね、足をあげて、踊ってましてね。