Clásicos japoneses con furigana
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どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Lee 土曜夫人 (どようふじん) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 106.903 caracteres · 213 pantallas
乗竹春隆もむろんそうだ。
そう言えば、アコーディオン弾きの坂野も、その細君の芳子も、その情夫のグッドモーニングの銀ちゃんもセントルイスのマダムの夏子も、貴子の友達の露子も、素人スリの北山も、清閑荘の女中のおシンも、上海帰りのルミも、芸者の千代若も、仏壇お春も、何じ世相がうんだ風変りな人物である以上、主人公たり得ることを要求する権利を持っているのだ。
この物語もはや八十五回に及んだが、しかし、時間的には一昼夜の出来事をしか語っていず、げんに新しい事件と新しい登場人物を載せた汽車が東京へ向って進行している間に、京都でもいかなる事件がいかなる人物によって進行させられているか、予測の限りではない。
そして、このことは結局、偶然というものの可能性を追求することによって、世相を泛び上らせようという作者の試みのしからしめるところであるが、同時にまた、偶然の網にひっ掛ったさまざまな人物が、それぞれ世相がうんだ人間の一人として、いや日本人の一人として、われわれもまた物語の主人公たり得るのだと要求することが、作者の足をいや応なしに彼等の周囲にひきとどめて、駈足で時間的に飛躍して行こうとする作者をさまたげるのだとも言えよう。