Clásicos japoneses con furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lee 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 126.360 caracteres · 251 pantallas
「いや大丈夫、その点は保証しますよ」
主馬はひとつ頭をさげた。
「要約すればですね、村田にはそういう使命もあるが、同時に各地の、植物分布と、薬用草木の調査という仕事がある、それはどこまでも現実にやらなければならない、だから、彼の採集した草木の根や種子を、薬園へ移植し、栽培する者が必要でしょう、なぜなら、ときには珍種と称して送って来るものが、ただの雑草だというばあいもありますからね」
「ははあ……」
「そんなときには、適当に始末する者がいないと、ぐあいが悪いわけですよ」
「共謀者だが幇助罪というところか」半之助は盃を持ったまま、「忍耐をするのにいい話というのを、聞かせて貰おう、さもないとおれは」
「話すよ話しますよ、とにかく一杯、まあどうぞ、私も二三杯やらないとね」
彼は手酌で三杯ほど飲んだ。
「これは安倍だけにしか話せないことなんですがね、ことによると忘れたんじゃないかとも思うが、稲垣のしほという娘のことを覚えていないかね」
「稲垣の、しほ……」
こう云って、すぐ思いだして、半之助はわれ知らず微笑した。
「ああ覚えているね、主馬の熱烈な恋人だったろう」
「熱烈な恋人はいいけれど、なぜそんな妙な笑いかたをするんです」