Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lee 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 126.360 caracteres · 251 pantallas
落雷
一
と書いたものがあった。半之助はちょっとためらったが、手ばやくその四五枚をめくってみた。
達筆ではあるが、文字は粗密こもごもで、統一がなく、乱暴に消したり、書き入れがあったりして、土蔵の中の光りでは、ちょっと判読がむつかしかった。そして、その一枚に、不規則な菱形の、紋どころと思える絵をみつけたとき、母の呼ぶ声がしたので、慌ててそれを片づけて立った。
いつか機会をみつけて、叔父の手記を悠くり読みたいと思ったが、父が半之助の見たことを気づいたのだろう、どこかへしまい変えたらしく、たびたび捜したがみつからなかった。そして、時の経過とともに、しぜんと忘れてしまった。
落雷
一
宝永五年六月二日。将軍綱吉は、柳沢吉保の邸の、宴遊に臨むはずであったが、城を出るまぎわになって、急に中止された。
おなじ日、安倍半之助の家では、亡父、伊右衛門の三回忌に当り、麻布南部坂の昌雲寺で、その法要をおこなった。寺へは十時にあつまり、終ってから家で昼食をだす。ということで、まえの日に、麻布谷町の安倍から、料理人がよこしてあり、また、その日は朝はやく、二女の佐枝が、若い召使を三人つれて、手伝いに来た。