Clásicos japoneses con furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lee 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 126.360 caracteres · 251 pantallas
六
主馬は憤然と叫んだ。
「さあ笑って下さい、こんどこそどんな妙な笑いかたでも甘受しますよ、さあどうぞ」
「――なんと、そこまではねえ」
半之助は溜息をついた。
六
「つまりそれで、青山としては、忍耐したわけなんだな」
「どうすることができますか、相手は純情で無邪気で、やましい気持などは爪のさきほどもないんですから、しんそこ、結婚してやろう、というつもりなんだからね」
主馬は両方の手を前へ出して、片方ずつ、ぎゅっと握りながら云った。
「私はまず、初めに喉へこみあげてきたやつを、この手でこう、ぐっと握りつぶし、次にこみあげてきたやつをこっちの手で、そのあとのやつを膝の下へ、満身の力でこう、ぐうっと握りつぶし、押えつけました、そうしておいて、感謝の意を表しました」
「――すると、結婚するわけなのか」
主馬はもの凄いような眼をし、両方の握り拳をつきだし、猛犬の唸るような、けんのんな声で、しかしゆっくりと云った。
「この手の中では、まだそいつが、暴れだそうとして、ぐいぐい身もだえをしている、手の平へ噛みつきもする、私はこいつを一生、この両手にぶら下げていなければならないと思う、そのくらいの気持なのに、安倍には私が結婚するように思えるのかね、それほど私は」