Clásicos japoneses con furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lee 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 126.360 caracteres · 251 pantallas
三
「うう……」
妙な声をだして、主馬は酒を飲んでから、なにやらとりすました眼つきで、半之助を見た。
「つまりこの際、谷町のお婿さんになるのは、不得策だということなんだが、そのついでにだね、いま云った証拠というのを見せたいんだ」
「なんの証拠をさ」
「柳沢をどういうものが支えているかという、じっさいの情景さ、そして、そのうえで相談もあるんだ」
「なにか曰くありげだね」
「ないこともない」主馬は、半之助の疑わしげな眼を、やわらかに微笑で受けた、「しかし曰くはあとの相談として、ともかくつきあって呉れないか」
「まさか例のを食いにゆくんじゃあるまいな」
「食ってもいいじゃないか」
「この暑さに、冗談じゃない」
「いやならむりに食うことはないさ、いちど見ておいても損はないけしきだよ」
もう少し日が傾いてから、ということで、ともかく、証拠とやらいうのを、見にゆくことに定ってしまった。
三
あとで思うと、それは計画的であった。主馬は初めから、さそいだすつもりで来たのである。しかし、単にそれだけの意味ではなく、その裏にもうひとつ、べつの理由があったのであるが。
二人がでかける少しまえに、母が佐枝を伴って、谷町から帰って来た。