Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 139.230 caracteres · 280 pantallas
「親分さん、お願いでございます。私はもう心配で心配で、一日もジッとしてはいられません。お願いでございます」
八五郎のつれて来た、本銀町浅田屋の手代幸吉という二十三四の若い男は、畳の上に両手を突くのでした。
小柄で、色が浅黒くて、あまり良い男振りではありませんが、突き詰めた様子や、一生懸命な眼の色に、何か妥協の出来ない正直さを見ると、素気なく追い返しもなりません。
「お前さんは、よっぽど思い詰めているようだが、一体どんなことがあったんだ。ことと次第じゃ、随分相談相手くらいになってあげよう」
平次もツイ膝を進めました。
「外じゃございません。去年の春あたりから、不思議な手紙が主人のところへ参るのでございます」
「不思議な手紙というと?」
「何にも書いてない、白紙の手紙でございます」
「?」
「最初の手紙が来たときは、主人も大笑いに笑って、――こいつは日本一のあわて者だろう――と申して私ども店のものにも見せましたが、二本目は黙って私に渡し、三本目は誰にも見せないように御自分の部屋へ持って入り、四本目は――」
「一体その白紙の手紙というのは、何本来たんだ」
「ちょうど一年前から、毎月一本ずつ、十一本も参りました」