Clásicos japoneses con furigana
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ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記
吉川 英治
Lee 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 56.947 caracteres · 114 pantallas
法華経奥書にしても、彼の肌あいを書から嗅ぐことは難しい。もし、さりげない個人的な手紙でもほかに残っていたら、もすこし彼の素肌な半面を後につたえてもいたろうに、ただ正直まッ法な武将の筆蹟だ。こんなとこにも彼の不幸があったとおもう。しかし当時の土豪とすれば、これほどの書格の持ち主はやはり稀れだったろう。
後醍醐天皇の画像は、その神格化意匠が特にめずらしい。また天皇が、足助重治へ与えられた感状も出ていたが、天皇みずから軍感状を書かれたなどは、他に類があるまい。そしてまたその天皇的書体には、震雷のような覇気が聞える。惜しいことでは、兼好法師の物が何もない。
ケースから振向くと、吉野朝期のよろい、具足などが、それを着た人々の肺臓やら心臓をウロ抜いた骸形みたいに並んでいた。おどしの色継ぎや、皮革や金属には、じつに心をこめた彫刻文や蒔絵がある。殺人か自己の死か、とにかく血にする物へ、こんな美的精進をこめたなどの習慣は人類の戦争史を考える上で、ひとつの貴重な資料ではないかなどと思わせられる。文化財の尾崎元春氏の解説をきいたが、それは全部、一国の美術工芸の空にちりばめられた星として語られていた。