Clásicos japoneses con furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lee 三国志(五) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N1. Toca una palabra para ver el significado.
N1 · avanzado · kanji y kana modernos · 325.249 caracteres · 653 pantallas
なんで、交通の要路に野盗乱賊が出没しようか」
「いやいや。決してまだ天下は平定していません。漢中に張魯あり、荊州に玄徳あり、江南に孫権の存在あり。加うるに、緑林山野、なお無頼の巣窟に適する地方は、どれほどあるかわからない」
曹操は急に座を起って、ぷいと後閣へ入ってしまった。激怒した容子である。張松は、ぽかんと、見送っていた。
階下に整列していた近臣も、興を醒して、張松の愚を嗤った。
「外国の使臣として、はるばる参りながら、あえて丞相の御心に逆らうとは、いやはや、不束千万。再度のお怒りが降らぬうち、疾く、疾く蜀へ帰り給え」
すると張松は、その低い鼻の穴から、ふふふと、嘲笑をもらした。
「さてさて、魏の国の人は嘘で固めているとみえる。わが蜀には、そんな媚言やへつらいをいう佞人はいない」
「だまれ。しからば、魏人は諂佞だというか」
「おや、誰だ?」
声に驚いて、張松が振り向くと、侍立の諸臣のうちから、一人の文化的な感じのする青年が、つかつかと進んで、張松の前へ立った。
年の頃まだ二十四、五歳。神貌清白、眉ほそく、眼すずやかである。これなん弘農の人で、一門から六相三公を出している名家楊震の孫で、楊修、字は徳祖という。