Clásicos japoneses con furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lee 三国志(五) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N1. Toca una palabra para ver el significado.
N1 · avanzado · kanji y kana modernos · 325.249 caracteres · 653 pantallas
城門から出ようとすると、また声をあげて、彼の車にとりすがった家臣がある。李恢という者で、泣かんばかり訴えた。
「むかしから、天子を諫める良臣七人あれば、天下失われず、諸侯に諫める善臣五人あれば、国みだるるも国失われず、大夫に諫める忠僕三人あれば、その主無道なりとも家失われずとか聞き及びます。いま黄権の諫めをお用いなく、玄徳を国にお入れあるは、求めて御身を滅ぼすようなものですっ」
劉璋は耳をふさいだ。
「車を進めい。車の輪を離さぬならば、轢き殺してゆけ」
そこへまた、一人の下僕が、狂わしげに訴えてきた。泣き喚いていうのを聞けば、
「わたくの主人王累が、どうかしてわが君のお心をひるがえそうと、自分の身を縄でくくり、楡橋門の上から身をさかさまにして吊り下がりました。お願いです。どうか助けて下さいっ」
張松は、車を護る前後の人々にむかい、
「なにを猶予あるか、はやはや進まれよ」
と叱咤し、また車の側へ行って、劉璋にささやいた。
「彼らはみな、忠義ぶったり、狂態を見せて、君を脅かさんなど企らんでいますが、要するに本心は、漢中との戦端を避けて、一日でも安逸を偸んでいたい輩なんです。