Clásicos japoneses con furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lee 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 195.479 caracteres · 394 pantallas
恋の憧憬
「眼に毒だ、殺生だなあ」忠三、横っちょを向いたものである。
恋の憧憬
「へん」とお町はあざ笑った。「そう緋縮緬がこわくては、太物屋の前は通れないぜ」
「それがさ、並みの緋縮緬じゃあない。あぶらの乗った真っちろな、ピンと張り切ったはぎが二本、鎮座ましますと思うとね、こう胸の辺がモダモダしまさあ」
「粂仙の口だね。きたない仙人だよ」
「惜しいものだ」と早引の忠三、にが笑いをして慨歎した。
「あねごも今年ははたちの筈だ。いろをこしらえていい頃だ。兼好さんがいってまさあ。色を好まねえ阿魔っ子は、底のねえひしゃくに似ているってね。どうもあねごはがさつでいけねえ」
「呆れもしないよ、ひしゃくだとさ。玉の杯底なきごとしさ。それにお前、阿魔っ子じゃないよ」
「どっちにしても似たようなものさ。なにしろあねごは落胤には見えねえ」
「そりゃあそうだろう。わざとしているんだもの。根からの平民という奴は、不思議にひどく高踏がるし、貴族うまれの人間は、あべこべに平民になろうとするよ。でもね」とお町ぼんやりと、あこがれるように眼を据えた。「いい相手さえ目つかったら、妾アいつでも恋をするよ」
「どんな男がお好きかね?」