Clásicos japoneses con furigana
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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
Lee 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 46.298 caracteres · 100 pantallas
「私は、舟の中でせいぜい小さくなります」
細川君は、自分の大きいのに肩身狭く感じたか、真面目になって言訳を言っている。
「それには及びません――だがまア、弟子入りなんて言わないで、一度一緒に海へ遊びに行って見ましょう」
これはほんの、その場限りのつもりで言ったのであるが、細川君は承知しない。間もなく、やんやと言って来る。とうとう一日鴨居の落ち鱸釣に同行する事になった。
舟に乗る段になると、あの大きなお尻が持ち上らない。船頭とその女房と、忰と三人で力任せに「よんこらさッ」と、お尻を押して押し上げた。海豚のような尨大な体躯で、胡座すると舟の胴の間は一杯になる。小さな私は、舳の小間にちまぢまとしてしまった。
そこまでは無事であったが、三、四時間すると大錦関は俄かに尿意を催して来た。三十四貫のブラッセルの小便小僧が舷に立って、銀河の如き滝が天の一方に懸れば葦の葉のように小さい漁舟は、一方に偏して忽ち顛覆ものだ。
「しばらく、しばらく――」
船頭は蒼くなって、起ち上ろうとする細川君を抑えた。と、同時に舳を返して舟はゴーバックのフルスピードである。怺え兼ねて大きな腰を顫わせている細川君を上陸させ、同舟の人々は危く舟の顛覆を免れた、という奇談があった。