Clásicos japoneses con furigana
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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
Lee 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 46.298 caracteres · 100 pantallas
四
今度は、これ一人御願いします」
私の考えでは、夫人と娘と同舟させ、私と葵原君とは同じ舟に乗って一日を遊び暮らそうとする予定であったが、健康を害していると言えば致し方ない。それにちょうど、娘も嫁入りのことで、母と共に何くれと忙しい場合であったから、今度は夫人と私と二人で第一回を試みることにした。
葵原君は、
「充分保養して置いて、次回には必ずお供させて頂き度いと思います」
と、残念らしい。
それから二人は、鯛のことまた鯛釣のことについて、私にいろいろ問うのであった。
四
鯛には、数えきれない程いくつもの種類があるが、私と葵原夫人とが釣りに行こうとするのは、麗容魚族の華と賞される真鯛である。古来、絵にも文にも絢爛な憧憬を人に誘う淡紅の彩り鮮やかな服飾を誇り、而も雄偉な面魂を持った、あの大鯛である。
鯛と言えば、瀬戸内海で漁れたものが、全国に冠たり、と世の人は思う。しかし、関東の鯛も、瀬戸内海で漁れたものに勝るとも、劣っていないのである。ただ、これを広く世人が知らないだけのことである。
昔、交通の不便の時代には、関東から東北地方の海で漁れる紅い肉の魚が、関西地方へは移入されなかった。