Clásicos japoneses con furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lee 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 126.360 caracteres · 251 pantallas
「私はともかく、村田の名が出たとすると、まんざらかまをかけたわけでもないだろうが、しかし、そんな筈はないんだが」
「そうかねえ」半之助は団扇を取った、「こっちで向うのことを探っているとすれば、向うでもこっちの動静を探るのは自然じゃないのか、おれには関係のないことだけれど、そいつはお互いさまだと思うがな」
「或る点はむろんそうなんだ、柳沢排斥はなかば公然たるものだからね、しかし私のやっていることや、殊に村田の担当などは、感づくわけがないんだよ」
「それは青山がそう思うだけだろう、隠すよりあらわるるはないというからな」
「だって私は裁判記録の整理をしているんですよ」
汗を拭きながら、主馬は、まるで半之助の了解を求める、といったふうな調子で、
「ひと口に云うと、裁判の成文を作るために、判例の分類をやっているわけなんで、しかも私が受持っているのは、寛永から慶安年代までなんだからね」
「しかし、反柳沢の運動と無関係じゃないだろう」
「具体的にいえばこうなんだ」
主馬は団扇をつかいながら、こう云った。
彼は二年まえ、評定所へ勤めだすと同時に、今の仕事を割当てられた。それは、古い裁判記録を、その犯罪と、判決によって分類するという、極めて退屈なかび臭い仕事であった。