Clásicos japoneses con furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lee 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 126.360 caracteres · 251 pantallas
たぶん、おまえだけは残れ、というのであろう、半之助はそっけない顔で、佐枝が出てゆくとすぐに座を立った。
外はまだ日が暑かった。
「自信まんまんたるものだね」
扇子で日を除けながら、主馬がそう云って、ちょっと口ごもった。
「あの人はすっかり裸にして、躯の内部までひっくり返してしらべても、ひけめとか羞恥などという感情は欠けらもない、というふうだ」
それから笑いながら、「しかし悪くはないな、ああいう女性は良人を出世させるよ、家政のきりもりも上手だろうし、客あしらいはうまいし、上役なんぞを籠絡するのは巧みだろうし」
「気にいったら青山の嫁にするがいい」
半之助はやり返した。
「おれは聞くのもたくさんだ」
虎の門そとの辻で駕をひろい、汐止の橋から木挽町へ出て、築地のほうへ向った。まさか山村座ではあるまい。こう思いながら、半之助はふと、ついこのあいだ見た、茶屋の出来ごとが眼にうかんだ。いましがた主馬が、――あの人を裸にして。と云った言葉が、頭に残っていたためかもしれない。
肌のもの一枚も着けない、つややかな、柔らかそうな裸身、三人の若者に、平然と躯じゅうの汗を拭かせていた姿。