Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lee 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 126.360 caracteres · 251 pantallas

Aozora Bunko

また掛け汁は、茱萸とやまももの実を煮詰めて、絞ったものだ、ということであった。

「村田ならよろこぶだろう」半之助は喰べながら、「彼は長崎へいって来たし、あっちではこんなのをよく喰べてるんじゃないのか」

するとふいに、なにか喉につかえでもしたように、主馬が激しく咳きこんだ。

「やあ失敬、この掛け汁にむせちゃって」

彼は手拭で、口の端を拭き、わきを見ながらそう云った。それでなおさら、むせたのでないことがわかった。……半之助はちょっと、しらけたような気分になったが、その肉の味と、珍しい料理法に興味をひかれ、ぜひ村田平四郎に喰べさせたいものだ、などと思った。

砂糖漬けの杏子に、茶が出たあと、席を変えて酒にする、ということで、二人はその座敷を立った。

「もうたくさんだね、飲めそうもないよ」

「肴が変れば結構いけるさ」

「まだなにか食わせるのか」

「見せると云った証拠というやつさ、忘れたのかね」

こう云って、主馬は、なにか意味ありげな眼くばせをした。

庭とは反対がわにある、うす暗い中廊下を、鉤の手に曲ってゆき、二階へあがって、六帖の座敷へはいった。主馬は案内して来た女中に、なにか囁き、女中は頷いて、「はい、あいております」