Clásicos japoneses con furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lee 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 126.360 caracteres · 251 pantallas
「私には信じられません」
ややあっけにとられたふうで、権之丞はそっと首を振った。
「もしそのような事実があったとしたら、今日まで誰も知らぬということは、ない筈ではございませんか」
「権之丞が知らぬからといって、知っている者がなかったとはいえないでしょう」
「では誰かそれを知っている者が」
「誰かではなく、誰でも、というべきでしょう、甘利一郷の住民は、みどうの者の申しつけには、決して違背したことがない、口外するなと云えば、殺されても口外はしません」
「しかし事とばあいによります」
「そのとおりです、事とばあい、とりわけ御再興にかかわりのあるばあいにはです」
「――――」
「現に、この登世のことがそうでしょう、登世のしていることが、今日まで、お父さまにさえわからなかったではありませんか」
彼女の眼はしだいに輝きを増し、その表情には、一種の偏執的な色さえ、あらわれだした。
「慶安の騒動は失敗に終りました、失敗した理由はいろいろあるでしょうが、いちばん大事な点は、事を企てた人間が、孤立した浪人者であり、拠って起つ地盤も勢力もなかった、ということでしょう、また、お祖母さまの書き残したものによると、御援助のなさりかたも中途半端なもので、御自分でも事が成功しようとは、お考えになっていなかったように思えます、登世のはそんなものではありませ