Clásicos japoneses con furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lee 日記 (にっき) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 40.778 caracteres · 82 pantallas
九月四日
九月五日
自分に書く気を起させないのは、いくら書いても、彼は分らないものを、私が大切に思って居る、というはっきりした知識だ。やり切れず、毎日気にし乍ら書かない。『新小説』の小説、何にしてよいか、まだ未定。湯浅さん、自分の居る間にも仕事をしなければフンガイすると云ってよこした、心持わかる、同時に微笑する。フンガイは面白い。彼女のゲンコツというアダ名のあらわすところをあらわして居る。Mon amie! だ。
野上さん、A、に思い切って手紙を書いた。
九月四日 木
湯浅さん五日に来ることに定った。楽しみ、たのしみ。ゆうべ床の中で、短篇のたねのことや、彼女のことを考えて、ひとりでうれし笑いをしてしまった。短篇、あのスイートピーのことを書こうかときめる。今朝床に居るうち、八時頃、ひどい雷が鳴った。昼でも虫の声しきりなり、萩の初花を机の上にさす。昨夜子規の句をよみ、所謂写生文流行時代の影響を実に多分に持って居ると感じた。叙景的すぎる憾があるような傾向さえある。叙景としては巧みだ。ただ裏にこもる情感がもう少しというもの多々あり。
九月五日 金 曇
真岡のキモノにて少し肌寒い位。