Clásicos japoneses con furigana
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すさのおのみこと
素戔嗚尊
Lee 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 42.917 caracteres · 86 pantallas
彼は考える暇もなく、その枯木の側へ足を運んだ。
枯木はさっきの落雷に、裂かれたものに違いなかった。だから根元には何かの針葉が、枝ごと一面に散らばっていた。彼はその針葉を踏むと同時に、夢が夢でなかった事を知った。――枯木の根本には一振の高麗剣が竜の飾のある柄を上にほとんど鍔も見えないほど、深く突き立っていたのであった。
彼は両手に柄を掴んで、渾身の力をこめながら、一気にその剣を引き抜いた。剣は今し方磨いだように鍔元から切先まで冷やかな光を放っていた。「神々はおれを守って居て下さる。」――そう思うと彼の心には、新しい勇気が湧くような気がした。彼は枯木の下に跪いて天上の神々に祈りを捧げた。
その後彼はまた樅の木陰へ帰って、しっかり剣を抱きながら、もう一度深い眠に落ちた。そうして三日三晩の間、死んだように眠り続けた。
眠から覚めた素戔嗚は再び体を清むべく、湖の汀へ下りて行った。風の凪ぎ尽した湖は、小波さえ砂を揺すらなかった。その水が彼の足もとへ、汀に立った彼の顔を、鏡のごとく鮮かに映して見せた。それは高天原の国にいた時の通り、心も体も逞しい、醜い神のような顔であった。