Clásicos japoneses con furigana
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えんしょ
艶書
山本 周五郎
Lee 艶書 (えんしょ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 25.027 caracteres · 50 pantallas
「待ってください」出三郎もしかたなしに立っていった、「そんなにおっしゃるならごらんにいれます、まだ始めたばかりですし、本当に自己流のつまらないものなんですが」
「つまらないかどうかはおれが判断するよ」
半兵衛は無遠慮に云って、彼のさし出す筆記をたんねんに見ていった。
――どうしてこれがわかったろう。
出三郎は腑におちなかった。あとでわかったのだが、半兵衛は藩政の広汎な改革を計画し、そのために領内全般へ、ひそかに下調査の手をのばしていた。その調査網に、出三郎の行動がひっかかったというわけである。……これは後日わかったことで、そのときは知らないから、出三郎はまるで化かされでもしたような気持だった。
「すまないが水をくれないか」と半兵衛がそこへ坐りながら云った、「あっちで酒を飲んだものだから喉がかわいてしようがない」
「ここには本当に水しかないんですが、茶をいれて来ましょうか」
「そいつを頼もう、茶のほうがいい」
おちついて筆記を見るつもりらしい、出三郎は母屋へ茶を取りにいった。
半兵衛はすっかり見終わってから、紙と筆を求めて次のような項目を書いた。「林相」「土壌」