Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

Lee 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.

N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 160.770 caracteres · 322 pantallas

Aozora Bunko

暗くて、よくわかりませんが、夕方のご用ききにばけた刑事も、その中にいるのでしょう。十人が十人とも、てんでに、いろいろなものにばけています。刑事や警官らしい姿の人は、ひとりもおりません。

地下室は一方口です。この階段のほかに出口はありません。もう怪人は、ふくろのネズミです。こちらは十人、あいてはひとり、いかなる魔法つかいの怪人でも、とても、かなうものではありません。

声もたてず、刑事たちは、つぎつぎと階段をおりていきました。ローソクはもとのままに、にぶい光をはなっていました。巨大な妖虫も、もとの場所に、うずくまっていました。

刑事たちがはいっていっても、あいてはすこしも動きません。シーンとしずまりかえっています。あまりしずかにしているので、なんとなく気味がわるくなってきました。

「ぼくたちは警察のものだ。さすがの怪物も、まんまとわなにはまったな。」

ひとりの刑事が、大声でどなりつけました。すると、ああ、これはどうしたことでしょう。カブトムシが大きなツノをふりたてて、いきなり、

「ワハハハ……。」

と笑いだしたのです。おかしくてたまらないように、いつまでも笑っているのです。