Clásicos japoneses con furigana
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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Lee 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.
N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 160.770 caracteres · 322 pantallas
怪物! 怪物!
ひとりの潜水夫が、かたむいた床にすべって、どろどろしたゴミのなかに手をつきました。すると、その手に、なにかみょうな、かたいものがさわりました。
「おい、ほとけさまだぜ。」
陸上ならば、そういって、なかまにしらせるのですが、潜水服では、おたがいに話もできません。水中電灯を、二―三度、よこにふって、こちらを見よというあいずをしました。そして、ゴミの中のかたいものを、ひろいあげ、電灯の前に持ちあげました。
それはがい骨の頭でした。黒いほら穴のような目、くいしばった長い歯のれつ、潜水夫は、沈没船のがい骨には、なれていたのですが、やっぱり、ぶきみです。すると、もうひとりの潜水夫が、電灯の光の前に手を出しました。その手は、がい骨の足の骨を、にぎっていたではありませんか。
それから、水中電灯を、床のゴミのそばに近づけて、さがしてみると、手や足や、あばらの骨が、つぎつぎと、あらわれてきました。大洋丸の船員が、この部屋で死んでいたのです。それが、いまではバラバラの骨ばかりになって残っていたのです。
怪物! 怪物!
ふたりの潜水夫は、がい骨を見て、気味わるくおもいましたが、こわがるというほどではありませんでした。