Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

Lee 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.

N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 160.770 caracteres · 322 pantallas

Aozora Bunko

それらの人々も、通路にもがいている、異様な怪物を一目みると、やっぱり、まっさおになって、そこに立ちすくんでしまいました。

巨大なカブトムシは、階段から落ちたひょうしに、背中を下にして、あおむきになったのです。小さなカブトムシでも、一度、あおむきに、ひっくりかえると、なかなか起きなおれないものです。

まして、こんな大きなずうたいのやつですから、きゅうには、起きあがれないとみえて、みにくい腹をまる出しにして、長い足を、モガモガやりながら、ひどく苦しがっているのです。

しかし、その苦しがるようすが、じつに、おそろしいのでした。なめらかな、背中とはちがって、グシャグシャした腹のほうは、なんともいえない、いやらしい形です。それを見ていると、ゾーッとして、はぎしりがしたくなるほどです。

ところが、そのとき、またしても、じつに、ふしぎなことがおこったのです。妖虫の腹が、スーッとたてにわれてきたのです。そして、そのわれめが、だんだん、広くなって、その中から、なにか、べつのいきものが、はいだしてきたではありませんか。

それは、リンゴのように、つやつやしたほおの、ひとりの少年でした。