Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九) 全十冊

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 41.029 caracteres · 82 pantallas

Aozora Bunko

一〇

青い袷を着た女の人が、竜吉さんの側へ寄って、後向きになって、たぶん私の手紙でしょう――何やら読んでいるところへ、首へ白いものを引っ掛けたのです――私はまさか、姉が弟を殺すところとも知らず、そのまま他のことに気を取られて、眼を外らしてしまいました。しばらく経って向うの家の二階を見ると、何やらただならぬ騒ぎで、人が登ったり降りたり、外へ飛び出したりしておりました。そしてしばらく経って松次郎さんが、竜吉さんが死んだと教えてくれたのです」

「それはお嬢さん、あなたの夢ではなかったでしょうね」

「皆んな本当のことです。毎日毎日向うの二階を眺めているので、私の眼は、遠眼鏡のように遠見がききます、竜吉さんを殺したのは、青い袷を着た、女の人に間違いもありません」

「…………」

「昨夜、竜吉さんに別れを惜みに行った時、その人が梯子の下に倒れて気を失っておりました。首には凧糸が巻いてありました、――私はその人を――竜吉さんを殺した相手を、呼び生けなければならなかったでしょうか」

お妙は顔を挙げて、涙に曇った眼で、ジッと平次を見詰めるのです。

一〇

「親分、お専を殺しかけたのは、やっぱりあの娘じゃありませんか」