Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あるはいまつのどくはく
ある偃松の独白
中村 清太郎
Lisez ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) de 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 905 caractères · 262 écrans
誰にしろ、無論こうした事は初めてなので、皆なくすぐったいような、落ちつかぬ面持ちをしている。――そのうち、絶えず東の谷合いから押しよせる霧は、だんだん深くあたりをこめ、さすが鏡のような雪田も、おぼろに曇って、見えつ隠れつ……。日が大尾根にかたむく頃には、とうとう雨を落しはじめた。その中を岩燕たちが、いきおいよく翼を鳴らしてかけ廻っている。
「老いたる偃松(木曾駒ガ岳)」のキャプション付きの挿図
老いたる偃松(木曾駒ガ岳)
画家はそれでも、狭い岩角に踏みとどまって、パレットの雫を払っては、一心に描きつづけていたが、いよいよ降りが強くなってくると、やっとのことで思い切ったらしく、筆をおいて、ぬれた道具を手早くかたづけた。それから今度も、いんぎんに俺たちに会釈して、「どうぞ又明日お願い申します……」と、それも何か俺たちの同意でも求め顔で、いかにもうしろ髪を引かれるといった風情を見せながら、ふりかえりふりかえり、帰って行った。――まさか俺たちが、逃げや隠れもしまいものを。
俺はホッとして、思わず知らず固くなっていた五体をくつろげつつ、又まわりの仲間を顧みた。