Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あるはいまつのどくはく
ある偃松の独白
中村 清太郎
Lisez ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) de 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 905 caractères · 262 écrans
三 過ぎ来し方
、戦争はとうに済んだというのに、来るのも来るのも野蛮な山荒しばかりかと、うんざりしてしまい、そぞろ昔恋しく、実は皆なして嘆き合っている始末なのだ。
小鳥さんたちに言わせると、人間界はこのところ、たいそう道義がすたれて、とかく物騒な事ばかり持ちあがっては、始末に困っている様子だから、それでここらまでも、そのとばっちりが及んでくるわけだろう、との事だが……大きにそうかもしれぬ。しかしそんな病気こそ、山へ来れば当然治るはずだと、俺は思うのだが……。
三 過ぎ来し方
昔の方がよかったと言っても、そこに例外がないわけではなく、この山につきまとう悩みはあった。それがほかならぬ、あの薬草とり、由来木曾の名産とうたわれている「お百草」の原料漁りなのだ。数多い薬草の中でも王様格の駒草などは、名前通り、もとはこの山上を、一面に美しく飾っていたものを、長年にわたる濫獲の結果、今ではただの一株も見あたらぬという、悲痛な歴史をとどめている。薬という用途は善い事にちがいなくても、慾に眼がくらんでしまうと、こんな情ない矛盾にもおちいる羽目になる。
今日では、天然記念物や高山植物の保護をはかるお触れも、出ていることは、いるそうだが、さような掟を、心から後生大事に守る人間は、残念ながら、まず滅多にはいないらしい。