Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あるはいまつのどくはく

ある偃松の独白

中村 清太郎

Lisez ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) de 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 905 caractères · 262 écrans

Aozora Bunko

六 待ち人

高山蝶や双翅類が、その甘く香ぐわしい蜜に酔って、花にも劣らぬ麗わしい翅をひるがえす。雷鳥さんも厚い綿入れを脱ぎ捨てて、飛白模様の夏着に衣がえする。小鳥たちに至っては、これはもう、暁か星の消えやらぬうちから、夕つづの落ちかかるまで、時を惜しんで歌いつ舞いつ……杜鵑や慈悲心のように、夜の目も寝ない手合いさえある。あの沈重な岩さんたちすら、今や熱い血の流れが、荒ら膚をとおしてうかがわれるようだ。――いわゆる生物といわず、流水、雲霧、地気、天象、みな一斉に勇躍し、生動する……。

めぼその巣の挿図

六 待ち人

こうした無辺際、無尽蔵の大宇宙に、ずらりととりまかれて、日となく夜となく、その恩沢に浴し、その威徳を仰ぎつつ、明かし暮らすわれらの生活こそは、何と世にも恵まれたものであろうぞ。脚の下の雲のそこいに、どんよりと濁りよどむ人間界とは、はるかに懸絶した、まずはこの世ながらの楽園ともいおうか。俺なども、その片隅に席を与えられた一分子かと思えば、空恐ろしいまでの幸福と尊厳を自覚させられて、あらゆる憂苦もさらりと忘れ去り、ひたすら造物者への感謝の情ろ、崇敬の念いに、身をふるわすばかりだ。