Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あるはいまつのどくはく

ある偃松の独白

中村 清太郎

Lisez ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) de 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 905 caractères · 262 écrans

Aozora Bunko

近年枯枝が目だってふえ、手足なら胴体なら、皮はたるみ肉は落ちて、ゴツゴツと節くれ立ち、天つ緑の黒髪さえ心ぼそく色あせてはきたものの、なァに、まだまだこれで、気だけは若いつもりだ。

それというのも、まず第一にこの環境が、何といおうと、世にたぐいのない、結構を極めたものだからだろうナ。まことに、わが国高山の指標とまで言われる、われら偃松族の住みかこそは、光明あまねく満ち渡った、青雲の向か伏す中空の、別乾坤中の別乾坤なのだ。それだけに、厳そかな天の荒ら息吹を真向にうけるのだから、弱虫やなまけ者、卑劣漢や臆病ばらには、とうてい辛抱しきれるものではあるまい。

冬の間は俺たちは、スッポリ雪の厚衾を着せられて、おかげで烈しい寒風はのがれるかわり、ありがたいお天道さまも直かには拝めず、ずいぶん淋しいといえば淋しいけれど、時おりは、俺と日頃仲よしの兄弟分――いさぎよい白無垢の羽衣に着かえた雷鳥さん夫婦に、ほんの片袖囲いの貧しい宿を貸して、何かと寝物語りにふけりながら、お互に身も心も温め合うのが、又大きな楽しみでもあり、慰めでもある。彼らは鷹の目、人の目の多い夏場よりも、むしろ立ち勝った元気で、吹雪も氷柱もものかわ、わが天地とばかり振る舞っているのは、余所の見る眼も小気味よい。