Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
「女房だけが悪かったんじゃないでしょう、つまり夫婦になってはいけない者どうしが、間違っていっしょになったので、いま考えると女房もさぞやりきれなかっただろうと思いますよ、ええ」与平は長い溜息をついて云った、「――けれどもそのじぶんは、そんなことは考えやあしません、にんげん誰しも、考えることは自分が中心ですからね、他人の痛みは三年でも辛抱するが、自分の痛みにはがまんができないって、よく云うでしょう、私も或る日、とうとう辛抱をきらしました」
だがそのとき休みの刻限になり、与平の話は中断された。
次の日は雨で、工事は休みになり、もっこ部屋の人足たちの半数が、矢来の修理に出された。この島の岸に沿って、高さ九尺の矢来がまわしてあり、古くなったところを取替えるのである。命じに来たのは差配役の松田権蔵で、人足たちをねめつけながら、大きなしゃがれ声で喚きたてた。いかにも赤鬼という仇名にふさわしく、栄二は「こいつは案外お人好しだな」と思いながら、彼の見ている前で仰向けに倒れ、両手を頭のうしろで組んで、あけっぴろげに大欠伸をした。
「おい、そこの若ぞう」と松田はずんぐりした太い指で、栄二を突き刺すように指さした。