Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
「すっかりにんき者になっちまったね」寝るときに与平が来てそう囁いた、「あたしはここへ来て八年になるが、こんなにみんなの気が合ったのは初めて見ましたよ、私は酒はひと口もだめだが、みんながあんなにたのしそうに飲んでるのを見たら、うれしくってね、こっちまでが酔ったような気分になっちまいました」
栄二は暫く黙っていて、それから相手の本心をさぐるような口ぶりできいた、「――与平さんはいまでも、この島で一生くらすつもりかね」
「そのつもりですよ」と与平は答えた、「私はしゃばではくらしにくい人間のようですからね」そしてまた云った、「――さっき誰かが、生き馬の眼を抜くような、せちがらい世間、ということを云ったが、この島ではそんなことはない、人の小股をすくったり、人をだしぬいたりぺてんにかけたりすることもない、そんなことをしてもなんの得にもならないからだ、そうでしょう」
ここにもむろんいやなことはある。ひねくれ者や意地の悪いやつもいるし、したくない仕事もしなければならない。それでも人を凌いで儲けたり、出世したりすることはできないし、やれと云われた仕事をおのれの分だけやればいいのだから、世間のように煮え湯をのまされる心配はない、と与平は云った。