Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

それは金太で、柱と柱の組み合った下で四ん這いになってい、水をよけるため横に捻った顔の半分が水につかっていた。

「あぶなかったな」と万吉が助け起こしてやりながら云った、「もうひと息ってとこだったじゃねえか、十両がとこ拾ったような心持だろう」

「済まねえ、みんなありがとよ」金太は水びたしの髪を手で押えながら幾たびも頭をさげた、「おらもうだめかと思った」

「さあいそげ」松田が手を振った、「ぐずぐずするんじゃあねえ、役所の前へ集まるんだ」

いっしょにあるきだしながら、栄二は初めて恐怖を感じた。これは大変だぞと思った。この島はもと洲だったのである、大川から吐きだされる土砂が溜って洲となり、そこへ土入れをして島にしたものだ。これまでにさえ膝につく水があがっているから、風がこれ以上吹き続けば、島ぜんたいが水の下になるかもしれない。栄二がそう思ったとき誰かが、上げ潮はいつだと叫んだ。

「明けの七つ(午前四時)ごろだ」と叫び返すのが聞えた、「だがいまはなん刻だ」

八つだろうと答える者があり、ほかの声は聞えなかった。役所の前は水が浅く、足のくるぶしまであるかなしかで、そこには人が犇いてい、縁側には役人たちと、寄場奉行の姿も見えた。