Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
よく来たなぶしゅうとか、外のようすはどうだとか、誰ともわからない声が左右から聞えた。みんなうきうきとはずんだ調子であった。油の壺はどうだときくと、みんな綱で括り合わせたし、この小屋は大丈夫だと清七が答えた。
「この中にもっこ部屋の者はいるか」
「こっちにいるぜ、あにい」と栄二の問いかけに答える金太の声が聞えた、「久七小頭と与平さんもいっしょだ」
「もうひとねばりだ」と栄二がどなった、「みんなふんばろうぜ」
わっと、また歓声がわきあがった。突風がおそいかかって、小屋ぜんたいがふるえ、柱や梁木がきしんだ。すると誰かが唄をうたいだし、その唄を知っている者が四、五人、いっしょに声高く合わせてうたった。栄二にはなんの唄かわからなかったし、文句もよく聞きとれなかったが、おかしなことに眼の裏が熱くなり、涙があふれ出てきた。
「――おまえ見たさに……」とその唄の文句が途切れて聞えた、「――馬草刈る手も……おまや来もせず、……影ばかり」
栄二はそっと眼を拭いた。突風がまた小屋を揺りたて、どこかで板でも裂けるような、激しい物音がした。
九の一
海はまだ土色に濁っていたが、空気は澄みあがって、はるかに、房州の山が青ずんで見えた。