Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

栄二のすることを暫く見ていたらしく、そっと近づいて来ると、それでやる気か、と問いかけた。

「誰だ」栄二は低い声で咎めた。

「おれだよ」万吉は栄二の前へまわった、「あにいに話があったもんで、後架から出るのを待つつもりだった、そうしたらあにいがこっちへ来るもんだから、どうするのかと思ってついて来たんだ」

「そんならもういってくれ、おれは躯を馴らしてるんだ」

「へーそうかい」と云って万吉は急に話を変えた、「ときに、油部屋のこぶが出てったそうだが、本当かい」

「おれは知らないな、出ていったのか」

「彫物部屋の伊助が、博奕場で饒舌ってるのを聞いたんだ」と万吉が云った、「まえに噂の高かった女が呼出しに来たって、半月ほどまえのことだそうだが、こぶはずいぶん迷ったあげく、伊助に相談をもちかけたっていう、伊助はいっしょになれとすすめたそうだ」

ああ、と栄二は心の中で嘆息をした。おれは薄情な人間だ、どうしたらいいかときかれたとき、よせとひとこと云うべきだった。半月も迷っていたとすると、清七自身も女が信じきれなかったに違いない。あのときおれは、どう云ってもむだだと思った。よせと云っても、女へのみれんな気持を引き戻すことはできないと思った。