Classiques japonais avec furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
「人をなめるな」と松田はどなった、「きさまたちくそ野郎どもに、おれがどんな気持でいるかわかるもんか」
彼の顔は赤黒くなった。それは例の悪罵の始まる前兆なのだが、そのときは逆に、眼を伏せて口をつぐみ、いかにも自分をもてあましたというふうに、せかせかと酒を飲み続けた。――寄場には刻限がある、今日は特別に許しを受けて来たというが、七時になったと聞くと与平が「おひらきにしよう」と云って盃を伏せた。栄二は与平に話すことがあった。寄場を出てここへ来てくれ、親子としていっしょにくらそうと、――けれども栄二は云いださなかった。それはこっちから寄場へいって、二人だけで話すことだ、と思ったからである。やがて四人が立ちあがり、平蔵も立ちあがった。平蔵が立ちあがったとき、みんなは吃驚したように彼を見た。平蔵がそれまでそこにいたということを、みんながすっかり忘れてしまったほど、彼は口もきかず笑いもしなかったのである。
栄二とおすえとさぶとで、みんなを表通りまで見送った。
「仕合せにやってくれよ、なあ」別れるときに松田が云った、「おかみさんはおすえさんとかいったな、もしこの野郎が不実なことでもしやあがったら、いいからすぐさまおれんとこへ捻じ込んで来てくれ、いいな、そうすればおれがすぐさま野郎に性をつけてやるから」