Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

十六の五

栄二は糊瓶の蓋の裏を指さした。おすえは覗きこんで、そこに書いてある文字を読み、それから怯えたような眼で栄二を見た。

「わかったろう」と栄二が云った。

おすえはかぶりを振った。

「こう書いてあるんだぜ」と栄二は文字を指の先で追いながら読んで聞かせた、「――おらがわるかった、栄ちゃんがあの切のことで島送りになったのは、おらの罪だ、一生かかっても、おらはこの罪のつぐないをしなければならない」

十六の五

栄二はしゃんと姿勢を正し、おすえの顔を見まもった。それから三本めの徳利を取って湯呑に注ぎ、それをひと息に呷った。

「おれはまえから腑におちなかった」栄二はぎらぎらした眼を天床へ向けながら続けた、「たしかに、おれとさぶは小僧じぶんからのつきあいだ、けれども、おれが島送りになってからのあしかけ三年、あいつがおれのためにしてくれたことはあたりまえじゃあねえ、どう考えたって度がすぎてる、仕事の暇をみておれのゆくえを捜すだけでも、なみたいてえなことじゃあなかったろう、おれは自分の名も云わず、芳古堂のほの字も口にしなかった、まったくの無宿者として島へ送られたんだから、――この広い江戸で、そんな人間のゆくえをつきとめるのは、人間わざじゃあねえと云ってもいいくらいだ、まだそのあとのことがある、おれのゆくえをつきとめただけじゃあない、