Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
栄二は大川端のほうへ向いながら独り言を云った、「子飼いからそこそこ十年にもなろうっていうのに、あんまり水臭えじゃあねえか」
朝のことだから、酒を飲ませる店などはみつからなかった。両国広小路あたりの裏とか、河岸の水茶屋のあいだなどに、川人足や折助たち相手の荒っぽい居酒屋があるのだが、慣れない者にはわかりにくく、栄二もそれらの店の前を気づかずに通りすぎ、ぼんやりと橋を渡りかけた。そのとき東からこっちへ、小さな風呂敷包みを抱えた女が橋を渡って来て、栄二を認めると眼をみはって立停り、それから小走りに寄って来た。
「栄二さんじゃないの、いまじぶんどうしたの」
栄二はふいにおどかされでもしたように、脇へ身をそらして相手を見た。そして、堀江町の「すみよし」のおのぶだと気づくと、知らない土地で古い馴染にでも出会ったような、うれしさとなつかしさとで胸があたたまるのを感じた。
「おめえこそ」と彼は例になくあいそのいい口ぶりで云った、「こんな朝っぱらからなにをしているんだ」
「お店へいくところよ、三日まえからうちに帰っていたの、栄さんはどこへ」
「当てなしさ」栄二はおのぶといっしょに、戻ってあるきだしながら云った、「――どっかで酒を飲みてえんだが」